Vol.8
マジソンスクエアガーデン2連戦&TNA編(’03年6月18日〜24日)


Part 1 ニューヨーク編

RAWでの“Foley is GOD”ミックフォーリーへのハードコアベルト授与式は非常に感動的だった。ミックの笑顔も良かったが、ストーンコールドGMと元ECW勢らも楽しんでいるように感じた。ミックとビンスとの過去の因縁を水に流すかのような熱い抱擁もまた良かった。感動の授与式の後、テレビでは放送されなかったが、リング上ではストーンコールドの提案によるビール飲み大会が行われた。ストーンコールドはビンスにも「お前も飲まないか?」と聞いた。が、ビンスは首を横にふり、そして、リングから降りた。リング上ではミック、ストーンコールド、RVD、ババレイ、ディーボン、スパイク、トミー、アルの8人が祝杯をあげていたが、ビンスはその輪に加わらなかった。花道を引き上げていく時に一度もリングを振り返らなかったが、あの大きな背中で何かを語っている様だった。「乾杯」と・・・。





6月23日 RAW(ニューヨーク州ニューヨーク MSG)
“プロレスの殿堂”マジソンスクエアガーデンでRAWが開催される数時間前、私は51丁目のCDショップの前に並んでいた。雨が降ったりして、肌寒い日が続いていたニューヨークだったが、この日は30℃を超える暑さとなった。その炎天下の中、4時間近くも外に並んでいた。なぜかというと、WWEスーパースターズ7人(HBK、HHH、ナッシュ、フレアー、ゴールドバーグ、トリッシュ、ストーンコールド)によるチャリティサイン会が行われていたからである。この7人が揃ってサイン会を行うのは非常に珍しいこともあってか、開始する1時間前に行ったのだが、すでに200メートル近くのファンが行列をなしていた。最終的にはどれくらいのファンが集まったのだろうか?私が並んでからも、まだ続々とファンが集まってきていた。本来なら11時から開始されるはずだったのだが、予定時刻を30分過ぎたのにもかかわらず、列は一向に進む気配が無い。私の前に並んでいた少年が係員に聞いたところによると、どうやらストーンコールドがまだ来ていないとのこと。要するに遅刻らしい。朝のTVの生放送にJRといっしょに出ていたのだが、それから寝てしまったのだろうか?ようやく、列が動いたのが12時をまわったころだった。そこからが長かった。雲一つない青空を独り占めしているかの様に、太陽が摩天楼にいる私の頭上でギラギラと眩しく輝いていた。そんな中に何時間もいると、さすがに体力を消耗する。疲れきった私がようやくサインを貰えたのは、並んでから約4時間が経過したころだった。

スーパースター7人が居並ぶ姿が目に入った瞬間、何故だか緊張してしまった。オーラと言ったら良いのだろうか、目には見えない何かが私を圧迫する。レッスルマニアの前に行われるFAN AXXESSでも一度にこんな豪華な顔ぶれが揃うことはないであろう。大勢のファンが並んでいることもあるし、このすぐ後には試合もあるということで写真撮影はNGだし、時間がないので流れ作業の様にサインをする選手達。向かって右からケビンナッシュ、ストーンコールド、ショーンマイケルズ(このチャリティサイン会の発起人)、紅一点トリッシュストラタス、一人だけサングラスをかけているゴールドバーグ。HHHと御大フレアーは少しだけ離れた机で二人で座っていた。サイン会が始まって約2時間が経っているからか、ひたすら黙々とサインをする選手達。特にネイチとエイチの御両人がナーバスな様に見えた。私の番が来て先ずナッシュからサインを貰う。係員が急かすので、話かける間もない。続いてはスト−ンコ−ルド。こちらもあっという間に終わり、続いてHBKの番という時であった。TVカメラが来て、HBKにインタヴューを始めた。その間、ラッキーなことに私はスト−ンコ−ルドとナッシュの前で待つことになった。二人に日本から来た事を告げ、日本のファンは貴方達が来日するのを待っていると言うと、スト−ンコ−ルドは「必ず行くからな。」と言って握手してくれた。ナッシュは「最後に日本に行ったのが、5,6年前の大阪ドームだったなぁ。確かチョーノとホールと組んだ試合だったなぁ。」とその記憶力のよさに驚いてしまった。意外とHBKのインタヴューが長く、ナッシュが「ショ〜ゥン、アイラ〜ヴユ〜」と女性っぽく声色を変え、HBKをからかう。スト−ンコ−ルドはHBKを挟んで隣にいるトリッシュとお喋り。ネイチとエイチは休憩とばかりに奥へと引っ込んだ。ナッシュは「HBK!HBK!」と叫んでいる。そんな中、ゴールドバーグは携帯で電話中だった。ようやく、インタヴューが終わり、ネイチとエイチも席に戻り、サイン会は再開。HBKにサインをして貰い、トリッシュの番になった。テレビで見る以上にとってもキュートだった。私が日本から来たことを言って、トリッシュと喋ろうとすると、隣にいたゴールドバーグが何故か反応した。「コニチワ〜」とそれまで静かだったのに、いきなり大声で私に話し掛けてきた。トリッシュと話をするチャンスは消えたが、ゴールドバーグと話すことができた。すると、いきなり「10月6日に日本で試合するからなっ!ガハハハハッ!」ととんでもない情報を教えてくれた。おそらくW−1のことだと思うが、日本ではまだ発表されていないことなので、実際はどうだかわからないが、ゴールドバーグは10月に来日するそうです。
二人並んでサインをするスト−ンコ−ルドGMと“BigSexy”ケビンナッシュ
このチャリティサイン会の提案者 HBK
携帯の画面を見つめるゴールドバーグ(トリッシュの肩がちょっとだけ見えます)
ネイチとエイチの御両人 話しかけにくい雰囲気だったが・・・

続いてはHHH。私が「日本から来ました。」と言うと、「あっ、そう。」と気の無さそうなお返事。こういう場ではヒールのイメージを守っているんだなと思い、何気なく「1月の代々木に行きました。」と言うと、急に顔を上げ、私を見た。「どっちの日を見たんだ?」と聞かれたので、「両方です。」と答えると、すかさず「どうだった?」と聞かれた。私が「2日目のメイン、あなたとタジリ選手の試合が一番良かったです。」と言うと、「そうかぁ〜。Thank you」とリング上では見せることのないとびっきりの笑顔で私に微笑んでくれた。来日公演の評価が気になっていたのだろうか。5,6歩進んでから振り返り、HHHに「Bye!」と言うと、サイン中にもかかわらず顔を上げてくれた。そして、右目でウインクをしてくれたのだった。セクシーすぎる。男の私でも腰が砕けそうになったほどだ。HHHはニクイ男だ。
外に出ると、まだ行列は続いていた。7人はまだサインを続けている。数時間後にはRAWが始まる。そういえば、HHHの横にいたフレアーが、私とHHHのやりとりを見て微笑んでいたのが印象的だった。
(このチャリティサイン会の収益はThe Armed Forces Family Scholarship and Assistance Fund at the Marine Corps-Law Enforcement Foundationに寄付されるとのことです。)





この日の試合開始時刻は7時45分。ダークマッチ、ヒートを経てRAWが始まるのは9時からである。私の定番であるホットドッグとコーラに、この日はポップコーンを追加した。場内は冷房が異常なほど効いている。だが、試合が始まるとそんなことは気にならなくなってしまう。試合開始前にはキッドロックの名曲“Lonely Road of Faith”がバックに流れるビデオが、タイタントロンに映し出される。観客は待ってましたと言わんばかりに大歓声をあげる。これまでのWWEの壮大な歴史を5分ほどに編集したこのビデオが、私は好きだ。サンマルチノに始まり、モラレス、グラハム、バックランド、ホーガン、アンドレ、スヌーカー、パイパー、マッチョマン、リッキー、ウォリアー、フレアー、ヨコズナ、ヒットマン、HBK、テイカー、スト−ンコ−ルド、HHH、ロック、アングル、レスナーら歴代のスーパースター、名場面が次々に出てきて、最後はマクマホン家の映像が流れ、ビンスで終わる。ビンスの父、マクマホン・シニアはこう言った。「The Garden is The Garden is The Garden.」 MSGでこのビデオを見れたことに感動した。また、冒頭にも書いたが、ミックフォーリーへのハードコアベルト授与式も胸が熱くなった。(翌日、CDショップに行って、STAINDのNewCD「14 Shades of Grey」を購入したのは言うまでも無い。) RVDを始めとした元ECW勢が出てきた時には、私のまわりで「ECW!ECW!」コールが巻き起こった。アメリカのファンは楽しみ方を知っている。が、悪いこともあった。ラ・レジスタンスの試合が終わってCMに入った時、観客に一人のフランス人がいた。自国を馬鹿にされているのが我慢できなかったのだろう。近くにいたアメリカ人達と揉め事になった。場内の一部から「フランス最低」コールが起こり、ちょっと危ない雰囲気になってきたので、数人のセキュリティがそのフランス人を守るようにして、別の場所へと誘導していった。どこに行ったかはわからないが、あのままだったらとんでもない事になっていたかも知れない。かつてニューヨークは世界一危険な街と言われていた。最近はだいぶ改善されてきたようだが、ああいうのを見るとその名残がまだあるんだなと感じ、改めて気を引き締めた。試合後、ホテルへと戻る時にも充分注意を払ったのは言うまでも無い。
それにしても、ケインがマスクを取ったのはちょっとショックだった・・・・・。
NYでは有名なスト−ンコ−ルドそっくりさん
リングに残されたケインの髪の毛付きマスク





6月24日 SmackDown!(ニューヨーク州ニューヨーク MSG)
MSG2連戦の2日目。本当は前の週の特番「BAD BLOOD」に行こうと思っていたのだが、MSGでRAWが開催されるのを知った時、MSGの方が面白そうだという気がして、予定を変更しニューヨークを選んだ。この日行われるSmackDown!では、“究極龍”ことウルティモドラゴンのTVデビュー戦があるので非常に楽しみな大会だった。が、その前にJRの本「JR’s Cookbook」の発売記念サイン会が開かれるので、タイムズスクエアにあるヴァージンメガストアに行った。JRだけでなく、ステイシーも来るというのでこれまた大勢のファンが集まっていた。
JR&ステイシーの珍コンビ


SmackDown!の試合開始は昨日より15分早く、7時半開始だ。ちょっと早く6時頃に会場に着いたが、すでに大勢のファンが集まっていた。RAWやSmackDown!でもこの盛り上がりなのに、来年のレッスルマニア20は一体どうなってしまうのだろうか?果たして、チケットは取れるのだろうか?まだ先の話ではあるが・・・
ウルティモのデビュー戦は大歓声で迎えられた。試合はムーアの失敗もあり(放送ではカットされていた)幾分ぎこちない部分もあったが、最後の技の説得力は、手厳しいニューヨークのプロレスファンを納得させるに十分すぎるほどだった。
メインはレスナー、アングル&ミスターアメリカ対ビッグショー、ハース&ベンジャミンの豪華6人タッグ戦だったが、それにしてもMSGでのホーガン、いやミスターアメリカ人気は物凄い。テーマ曲“リアルアメリカン”が流れた瞬間の会場の盛り上がりと言ったら、2日間で一番大きかったのではないだろうか。試合は負けてしまったが、放送終了後のボーナストラックではビッグショーをボディスラムで投げることに成功!レッスルマニア3でのアンドレ戦を思い起こさせる光景に会場は大興奮。その後、自らマスクを半分ほど脱いで、謎に包まれた正体を思い出の地MSGの観客に見せたアノ人は、最後にハルクポーズで観客を盛り上げてリングを後にした・・・


ミスターアメリカはあの日以来、WWEに出ていないそうだ。MSGで見たあの姿が最後になるのだろうか。いや、そんなことは無いはずだ。なぜなら、来年のレッスルマニア20の会場はMSGである。ハルクホーガンはきっと戻ってくるはずだ・・・


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(特別編)
WE LOVE NY!
私がこれまでに撮ったニューヨークの街角の写真をご覧ください。

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